FC2ブログ
flower border

あけたらしめる跡地

好きなものを狭く深く愛する。

スポンサーサイト

Categoryスポンサー広告
  •  closed
  •  closed
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「うろんな客」

Categoryその他いろいろ
uronnakyaku.jpg


私が大好きな、完全に大人向けの絵本です。
しかしエログロではありません。
これはストーリーもさることながら、ツボに入ったのは翻訳のセンスでした。
英文も同ページに載っていますので、照らし合わせながら訳の妙技を味わえます。
この本は普通の散文形式ではないんですね。
なんと風流なことに短歌形式になっております。
そのため、リズム感が良く、面白さが凝縮されており、
そこに私のツボは深く抉られたのです。
散文形式と短歌形式では全くの別物の印象になります。
例えば…

散文形式:そいつはいきなり飛び降りて 廊下へ駆けていって
       鼻先を壁にくっつけ そのままそこから動きません。


短歌形式:出し抜けに 跳び下り廊下に 走りいで
       壁に鼻つけ 直立不動


必要最低限な言葉の中において尚、「うろんな客」の珍奇な行動、
その状況をより鮮明に想起させることに成功しています。
こういう無駄の無さ、おかしみの凝縮は大好きです。

ストーリーは、ある日正体不明の生き物が突如屋敷に珍入。
奇行を繰り返しながら、長期に渡って居座るというもの。
こう書くとなんかどうしようもないw

一体「うろんな客」とは何者なのか?
その解釈はこの本の訳者・柴田元幸さんのあとがきに記載があります。面白い。
また、作者のエドワード・ゴーリーはあとがきによると、
「死を不謹慎に描くことに関して並ぶ者のなかった人である」。
そういう空気感が好きな方にはたまらないでしょう。
以前も書きましたが、限界すれすれのところで生まれる笑い、
時にははみ出しても良い、そういうものが好きです。
文学的にも、外道好き、不条理好きにもお勧めしたい1冊です。

追記:ポムギさんがコメ欄に書いて下さったのがありましたので貼り貼り。




「Jはジェイムス アルカリごいん」と「Zはジラー ジンをふかざけ」がきたw
そしてこのBGMは極めて正しいような気がしました。




摩訶不思議で精神が不安定になるようなBGMも相まって、魅入ってしまいました。
やっぱり全部揃えたいな。

関連記事

- 4 Comments

ポムギ  

エドワード・ゴーリー氏じゃあないですか!

初めて「ギャシュリークラムのちびっ子たち」を呼んだ時の
衝撃は凄まじいものでした・・・
A~Zまで、対応した頭文字の子供達26人がたったの一行の文で
死んでいくだけの絵本・・・
残酷なだけのお話なのに、妙に惹かれてしまうのは
レスリー殿もおっしゃっている様に翻訳のセンスが良いからでしょうか
「Aはエイミー かいだんおちた」「Rはローダ あわれひだるま」など
淡々と楽しそうに子供達の死が書かれているのが・・・w

怒涛の勢いで理不尽に死んでいく子供達に、不謹慎ながらニヤニヤとしてしまいました

ここまでブラックで面白い作品を作れる作家はエドワード氏くらいです

2009/02/13 (Fri) 01:02 | REPLY |   

ときちく  

一見しただけでただの絵本には見えないですね。
絵の雰囲気からして、独特のセンスがヒシヒシと伝わってきます。

短歌のように訳すという時点で大人向けですね。
こういった優れた表現を見ると、日本人で良かったなと思います。
中学校の頃、交通安全の標語を作る課題がありましたが、
五・七・五・七・七で考えるのは難しいながらもとても楽しかったです。

ゴーリー氏について少し調べてみましたが、
どの絵本もあらすじを読むだけで凄い内容だというのがわかりました。
不謹慎だ!なんて叫ぶ人がいそうですが、絵本の表現ですもの。
人違い斬りをしたり、市民を投げつけたり、
自分も割と不条理な動画を作っているだけあって、
ゴーリー氏の作品にはとても興味があります。読んでみたいなあ。

2009/02/13 (Fri) 10:58 | EDIT | REPLY |   

レスリー  

>ポムギさん

ポムたんは…もうなんか生き別れの弟じゃないかっていうくらい
好みが似ているのですが…w
流石ご存知でしたか。
現実や願望ならとんでもないことですが、
黒いファンタジーとしてなら大いにありです。
冷酷な中にもユーモアのあるストーリー運び、陰鬱な絵、
どうにもツボです。
絵本は全部同じ訳者みたいなので、そこにも一貫性が
表れているのでしょうね。

「他人の不幸は蜜の味」であることが脳科学的に明らかになったという
記事をどこかで今日拝見しまして、これは…wと思ってしまいましたw

2009/02/13 (Fri) 19:54 | EDIT | REPLY |   

レスリー  

>ときちくさん

ときちくさんは絶対これお好きだと思いますw
言葉の表現の豊かさにおいては、日本語は本当に優れていると感じます。
私も日本人で良かったです。

ゴーリーさんは嫌いな人はとことん駄目でしょうね。
好き嫌いが両極端に分かれる作家だと思います。
どこかの鬼畜な方も方々で色々行われてらっしゃるので、
何かしら他人とは思えないのかも…w

2009/02/13 (Fri) 20:07 | EDIT | REPLY |   

Post a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。